出張手術利用案内

モバイルスペイ

●出張手術とは

出張手術(モバイルスペイ)とは、ご依頼場所まで移動式手術室ニコワゴンで出向き、現地で不妊去勢手術をおこなう猫の「往診不妊去勢手術」サービスです。
クリニックまで猫の搬送が困難な場合であっても移動の負担を最小限に、複数頭の手術を受けることができます。
出張手術では、手術車内の限られたスペースで多くの猫の手術をスピーディに行うため、手術がすぐに実施できるよう猫の待機準備や手術直後からの猫の管理をはじめ、諸作業をご依頼者にご協力いただきながら遂行します。
出張手術についての詳細は下記「実施要項」をご確認ください。

●実施要項

1.出張可能地域
 ニコワゴンが行ける場所であればどこでも伺います!

2.出張実施頭数
 当日手術する頭数として5匹以上(性別不問)からお受けいたします。※遠方の場合は要相談

3.出張費用
 手術等診療費 + 出張交通費
 出張交通費 = 距離に応じた交通費 + 有料道路利用時の実費(中型車区分)

クリニックから手術場所間の往復距離料金(税込)
 20km未満 ¥2,000
 40km未満 ¥3,000
 60km未満 ¥4,000
 80km未満 ¥5,000
 100km未満 ¥6,000
 100km以上 実費に基づき算出


 ※手術等診療費の詳細は、各クリニックページの料金表をご確認ください。
 ※出張可能日程:要相談。診療カレンダーは出張可能日程を反映していません。

●必要な設備

当日の手術に必要な設備として下記項目を満たす場所を選定ください。

1.手術前後の猫の保管場所
 ・冬場は、雨風の当たらない暖かい場所
 ・夏場は、冷房や扇風機で快適な温度が保てる場所
 ・ニコワゴン駐車場所へ猫の搬入出を速やかに行える場所

2.ニコワゴンの駐車場所
 ・依頼者の所有地もしくは猫の手術実施に承諾を得た場所
 ・ニコワゴンが出入りできる幅の道路に面した場所
 ・アイドリング可能かつ地面が平坦な場所
 ・猫の飼育者または管理者宅付近の場所
 ※ニコワゴンのサイズ

ハイエース寸法
TOYOTA ハイエース Sロング ワイド ハイルーフ

3.給排水設備
 ・給水…水道水を汲み、ニコワゴン内で使用します。※洗浄消毒に使用するため井戸水等は使用できません。
 ・排水…手術終了後、使用した水を排水します。※下水道に適切に排水される設備をお借りします。

4.お手洗い
 ・スタッフが使用させていただく場合があります。

●事前準備

1.予め手術実施場所に関する情報をお知らせください
 ・実施地名
 ・ニコワゴン駐車場所の写真
 ※ニコワゴンの駐車が可能であるかGoogleMapsで確認します。

2.猫の保管場所に以下の物を用意してください
 ・新聞紙 (床に敷くため)
 ・大きめのタオルや布 (捕獲器等を覆うため)
 ・エサ皿とウエットフード (子猫は手術後すぐにフードを与えるため)

3.当日朝までに手術対象猫を捕獲してください
 ※ただし、捕獲器内にいる時間が極力短くなるよう捕獲は前日夕方~当日朝に行ってください。
 ※やむを得ず1~2日程度捕獲器内で管理する場合、排泄物で猫の身体が汚れないよう「食餌量を通常の半分程度に抑えること」「排泄物の処理をすること」を徹底してください。身体が汚れると、手術進行に支障をきたし、また術中・術後に感染症のリスクが上がったり、傷口が化膿する恐れがあります。なお、水は脱水防止のため適宜与えてください。

●手術当日

1.手術対象猫はいずれかの状態で待機させてください
 ニコワゴンが到着するまでに
 ・「捕獲器に入った状態」
 ・「洗濯ネット(粗目・60×60サイズ・ファスナーチャック式)に猫を入れた上で、キャリーケースに入った状態」
 ※いずれも入れ物1つにつき猫1匹を入れてください
 ※動物を入れることを目的としたもの以外の容器(段ボール、トートバック、手製の入れ物等)はお断りいたします。
 ※猫用より大きいサイズのキャリーケースのご使用はご遠慮ください
 ※捕獲器の中に水皿や毛布類は入れないでください

2.当日朝から絶食してください(嘔吐防止のため)
 ※ただし、生後半年未満の子猫の場合は低血糖予防のため、当日朝に、消化の良いウエットフードを2,3口程度与えてください。
 ※当日早朝に捕獲する場合、与えるフードの量は最小限に留めてください。

3.予め手術する順番を決めてください
 ニコワゴンが現地に到着後、滞りなく手術を実施するため手術順を決めておいてください。
 ※進行状況等により性別の順番指定をさせていただく場合があります

4.手術依頼書の記入/貼り付け
 搬入までに手術依頼書を1頭につき1枚記入し、捕獲器またはケージ等に貼り付けてください。
手術依頼書 依頼書記入見本 手術同意確認

5.速やかに搬入出をおこなってください
 手術開始以降は、クリニックスタッフがニコワゴン内から搬入出のお声掛けをします。
 指示がありましたら速やかに猫と手術依頼書を保管場所からニコワゴンへ、またはニコワゴンから保管場所へ運んでください。
 保管場所では、キャリーやケージ、捕獲器の扉の施錠ができているかをダブルチェックしてください。

6.手術後の猫の保管環境は室温にご注意ください
 手術後の猫は、体温が低下しやすくなっています。
 保管場所にて身体を冷やさないよう室温管理をおこなってください。
 ・冬場の推奨環境 : 暖房器具や毛布などを使用し、身体を温められる環境
 ・夏場の推奨環境 : 暑すぎず涼しすぎない室温で、直接冷風が当たらない環境

7.手術後の猫の観察・管理をしてください
 手術後、麻酔から覚ますための注射をした後、約5~10分経過すると身体を起こすようになります。
 注射の効果が出るまでの間は、横になり眠った状態となります。
 複数頭の手術を円滑に行うため、ニコワゴンから保管場所への搬出は眠っている状態のときに行います。
 保管場所に戻った後10分程で、猫自身で顔を持ち上げ身体を起こせる状態になっているか観察してください。
 10分以上経過しても横になった状態のままの場合はクリニックスタッフにお知らせください。
 生後半年未満の子猫は、目が覚めてしっかりと座れる状態になったらウエットフードを少量与えてください。

8.作業手伝いのお願い
 ・捕獲器等の清掃
  汚れがある場合は、猫が手術を受けている間に清掃し、手術後は清潔な状態で使用できるようにしてください。
 ・手術器具洗い
  詳しくはマニュアル をご覧ください。

●手術後

1.抜糸について
 オス/メスともに抜糸の必要はございません。

2.食餌について
 手術後、約3時間経過しましたら食餌を与えてください。手術当日は麻酔の影響による嘔吐を防ぐため、消化の良いウエットフード(缶詰やパウチなど)を与えてください。翌日以降は食欲が戻っていればカリカリフードを与えていただいて結構です。

3.温度管理について
 麻酔後はからだの体温調節機能が不安定になりますので、各季節に応じて快適な温度で休息できるよう管理してください。夏場は熱中症や暑さによる脱水症状などが起こりやすいため、直射日光の当たらない、風通しの良い場所で過ごさせてください。10月~4月は朝晩冷え込みます。体が冷えることで体調不良(食欲不振、下痢、嘔吐など)、最悪の場合、低体温症により死に至る可能性もありますので、手術後は十分暖かくしてください。

4.安静日数について
 手術後、オスメスともに最低一晩は先述の環境にて様子をみてください。(捕獲器内、もしくは大きさにゆとりのあるケージ内など)※堕胎手術をしたメス猫は、堕胎により多量の血液を失う上、通常の不妊手術と比べ傷口が大きくなっています。二晩程度は捕獲器内などで安静にさせて、手術後管理をより注意深くおこなってください。

5.ストレスサインについて
 手術後管理中、全く飲食をしない・排泄を我慢している場合は環境変化によるストレスが原因である可能性があります。その場合は上記の安静日数内であっても、天候や気温を考慮した上で速やかにリリースをするなど、猫の負担が少ない方法を選択してください。※元気がない(ぐったりしている・ふらつきがある)、下痢や嘔吐がある場合などは、リリースをする前に手術を行ったクリニックへご相談ください。

6.メスの手術後について
 メスの不妊手術後、切開したあたりがデベソのように膨らむことがあります。これは、皮下脂肪を縫合したことによる自然な生体反応であり、1カ月程度で治まってきます。ただし、傷周囲が赤くなっている・熱感がある・膿が出ている場合は炎症を起こしている可能性がありますので、手術を行ったクリニックへご連絡ください。

7.リリースについて
 猫を屋外の元に居た場所へリリースする際は、勢いよく飛び出し交通事故に遭ってしまう危険を避けるため、車の往来が無い方向に向けて捕獲器の扉を開けてください。

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