にじのはし(病院名)の由来

「虹の橋」という言葉に、皆さんはどの様なイメージをお持ちですか?
ペットロスの方のための詩であることから「死」をイメージさせるネガティブな言葉と認識されている方もいるかもしれません。
私が「にじのはし」に込めた願い、病院名として「にじのはし」を選択した由来をぜひ多くの方に知ってほしく、ここにご紹介します。

にじのはしと三毛

私は「にじのはしスペイクリニック」を開院する以前は、行政獣医師として11年間、保健所や動物愛護センターに勤務していました。そこでは、数多くの飼い主不明の犬猫や、余りにも身勝手な理由で飼育放棄された犬猫たちとの出会いがありました。

本来ならば人間が守らなければならない命のはずなのに、人間によって粗末に扱われている現実を何度も何度も目の当たりにしました。
「引っ越しをするから手放したい」
「年をとって手間がかかるからもう飼いたくない」
「野良猫にえさをやっていたら仔猫を産んだ。困るから親子ともども引き取ってほしい」
理解しがたい理由を平気で口にし、保健所に猫を持ち込もうとする人間たちに、何度も声を荒げました。
そんな人間たちによって粗末に扱われたり、愛情をもらえず簡単に放棄されたりするたくさんの命に接し、あまりの不憫さに何度も涙しました。
そして、人間に棄てられたり野良猫だといわれ疎まれる彼らを、麻酔薬の過剰投与により安楽死させることも私の役目でした。
そんな私の心の内にあったのは、安楽死させなければならないのならば、命の最期に立ち会う人間として、せめて最期の瞬間だけは愛情をもって接し、できるだけ苦しめずに彼らを「虹の橋」へ送ってあげようという想いだけでした。
生きている間、だれからも愛情をもらえなかったであろう彼らを見るたび、人間たちに対し強い怒りと憤りを感じ、人間が果たすべき責任をもっともっと社会に広めたい、彼らのような動物を減らしたい…そう思って行政獣医師時代を過ごしました。

保健所髙橋

「虹の橋」というのは、最愛の家族を喪ったペットロスの方に向けた作者不明の詞であり、天国の少し手前にあるとされている場所です。「死」を連想する方も多いとは思いますが、実はその詞の中には「生きている間、だれにも愛されなかった動物たち」が“虹の橋のたもと”で「生きている間だれにも愛されなかった人間」と出会い、「ようやく幸せになれる」というくだりがあります。
私は殺処分しなければならないときにはいつもこの詞を思い、虹の橋のたもとに行けば彼らはきっと幸せになれる、そう思いながら彼らを送り出していました。

だからこそ私は、不妊去勢手術によって
だれにも愛されずに亡くなる猫を減らせるように。
そもそも殺処分される命が生まれないように。
クリニックがその役目を果たせるように。
と、願いを込めてこの名を付けたのです。
また、猫と人の懸け橋となれるようにという思いも込めています。

私がこの病院を通して目指すのは、猫がしあわせに、そして人がおだやかに暮らせる社会の実現です。


にじのはしスペイクリニック 髙橋

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